「脱毛ラボ」の自己破産申請について
2022-09-16 (金)
先週の金曜日に脱毛サロン「脱毛ラボ」のセドナエンタープライズの自己破産申請のニュースが
ありました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC074VM0X00C22A9000000
エステ業界では、契約して施術を受ける前に一括で資金を払う形式が主流となっていますので、
債権回収という点ではリスクが少なく、かつ事前に前受金として代金を預かれるので手許資金も
豊富にあるように見受けられます。
但し、あくまえ前受金はサービスを消化する対価として受け取っているものなので、本来は、サービスを消化した月の原価や経費の支払い資金に充てられるべきものですので、前受金は自社の手許資金残高から除いて考えるべきキャッシュと言えます。
ところが、手元資金が一時的に増えたように感じた経営者の中には、
①多大な広告宣伝費をかけてみたり、
②赤字資金の穴埋めに使ってみたり、
③過度な設備投資を実施してみたり、
といったように、本来の目的で前受金の資金を利用できていない場合、往々にして資金繰りに行き詰まります。
今回の脱毛ラボのケースでも、どのような経緯で倒産に至ったのかは、真相は社内にいらっしゃった方しかわかりませんが、想像するに上記のような傾向が社内であったと推察されますね。
皆さんの会社でも前受金を受け取っておられる会社の経営者、経理担当者は、今一度自社の手許資金と前受金残高を毎月確認してみてください。
そのうえで、手元資金として置いておくべき金額、自由に使ってよいキャッシュの金額を把握したうえで、自社の経営に取り組んで頂くことをお勧めします。
プロフィール
財務マネジメント株式会社 代表
森岡寛
高知県高知市出身。実家が製麺卸売業を営んでいることから、幼少期より経営に関心を抱く。
近畿大学在学中は会計学研究会に所属し、管理会計の研究に従事。大学卒業後、大阪市内の大手会計事務所に勤務。入社3年目から経営幹部に抜擢され、以後2年半にわたり、部署売上目標を全て達成。実務面では、税務・経営・人事コンサルティングを担当する中で、中小企業の財務の重要性を実感して退社・起業。
起業後は中小企業に特化して、チャットとWEB会議で完結する財務改善コンサルティングを提供している。
著書に『マンガで入門!会社の数字が面白いほどわかる本』、『社長のための黒字の教科書』『マンガで入門!管理会計が面白いほどわかる本』(ダイヤモンド社)がある。
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マンガで入門!
管理会計が面白いほどわかる本
(ダイヤモンド社)
社長のための 黒字の教科書
小さな会社の財務改善70のテクニック
(ダイヤモンド社)
マンガで入門!
会社の数字が面白いほどわかる本
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メディア掲載実績
ダイヤモンドオンライン
2016年11月8日~12月8日
「マンガでわかる!管理会計の基本」
- 第1回 なんで私が大阪のエリアマネジャーに!?
- 第2回 なんで私が大阪のエリアマネジャーに!?(2)
- 第3回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(1)
- 第4回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(2)
- 第5回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(3)
- 第6回 正しい売上、正しいコスト、正しい利益って?(4)
- 第7回 管理会計をどのように活用するかが、業績改善のカギ
- 第8回 売上、コスト、利益を「正しい数字」で把握できているか?
- 第9回 変動費は「率」で、固定費は「額」で管理すれば、業績の把握と管理が正確にできる
- 第10回 売上高の大きい商品や店舗、営業社員が、売れ筋商品や優良店舗、優績社員とはかぎらない
- https://diamond.jp/category/s-kanrikaikei
ダイヤモンドオンライン
2014年2月19日~28日
【社長のための黒字の教科書】
ダイヤモンドオンライン
2012年6月7日~6月21日
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