組織図を作るうえで重要なことは?
2025-05-07 (水)
仕事柄、組織の状態を把握するために会社の組織図を見させてもらうことが多々あります。
その時によくあるのが
①そもそも今の組織図が無い
②あったとしても、現時点のものは無く、近い将来(今年度末時点)での組織図を作っている
③一人のスタッフがいろんな線で、いろんな部署や人ととつながっている
④まだ入社していない人が組織図に入っている
といったように、残念ながら納得できる組織図に出会えることがあまりありません。
なぜ、そのような事態になるのか、その原因をいくつか探ってみると
①経営者自身が実際は役職を兼任している
お話をお聞きしていると、実際は営業部長を社長が兼ねているケース等がこれに該当します。
②作成自体を外部に委ねているケース
いわゆるコンサル会社等が入ってそれっぽく作っているケースがこちらですね。
誰が上司で誰が部下かもわからず、尚且ついろんな線で他部署とのつながりもあるので、何が言いたい組織図なのか、よくわかりません。
③たらればで作成しているケース
○○という中途社員が入社してくれたら?
○○という社員が頑張ってくれたら?
といったように現時点での組織図とリンクしていないパターンもあります。
まだまだ挙げてみてもキリがありませんが、私から見て組織図作成のポイントをいくつかお伝えしたいと思います。
①組織図は現時点のものを作成すること
組織図は、会社の現状を把握するためのものです。スタッフから見て、自分がどの立ち位置にいるのか、わかりやすく表示することが重要ですので、まずは現時点での組織図を作成してみてください。
②未来の組織図は作成しても良い。但し、3年~5年後の組織図を描くこと
これは、将来のイメージとして作成OKという意味です。この未来の組織図を作ってから、①の現状の組織図との差異を埋めるべく、具体的に何をしていくべきかを考えて対策を打つのが重要です。
③ワンマンワンボスシステムで作成すること
自分の上司は誰か?自分の部下は誰か?これを明確にすることが重要です。部下からして、上司候補になる人が何人もいても、自分がどのように仕事をして良いのかがわかりません。
逆に上司が明確になるのは良いですが、特定の上司に多数の部下がぶらさがっている場合、その上司になる管理職への負荷が課題と言えます。できれば、1人の上司のものとに3人~4人の部下に留めるのが理想だと思います。
④人と組織図を切り離して考えること(社長や社員が一人二役や三役を担っている場合、正確に兼任として組織図に記載すること)
これは、組織図にその人自身を一つだけしか記載できないと思い込んでいるケースが多いです。また、兼任自体が良くないことと認識しているケースや、経営者自身が兼務であることを認めたくないケースも原因として考えられます。
組織図は、自社の課題を浮き彫りにするものでもありますので、それはそれとして課題で受け入れつつ、具体的な対策を講じる意味でも実態を正確に表すことが重要です。
⑤会計データで部門別管理を行うにあたって、その部門管理と組織図を連動させること
会社全体の損益やキャッシュフローを把握するだけでなく、部門管理を行い、その部門ごとに採算がとれているかどうかを把握することも必要になります。その際、その部門管理の内容が組織図の記載内容と連動しているかどうかも重要です。
これに加えて、従業員の社歴や年齢の要素も加味していくと、社歴や年齢の偏りも是正出来て、適切な組織として変貌していきます。
皆さんの会社にある組織図は、どのような状態になっていますか?会社の経営計画を立てる際や、年度初めのタイミング、または人材採用を検討しているケース等のタイミングで、適切な組織図作りができているか、一度点検してみてはいかがでしょうか。